仕様は同じで、どうしてこんなに飛距離が違うの?!
特定小電力トランシーバーの送信出力は、連続送信の場合を除き、全て10mWです。
数百mがやっと…誰でも無免許で使えるが、飛ばない、実用にならない、というようにお感じの方も少なくないと思います。
実際、その程度しか飛ばないものもありますが、実は1Km以上飛ぶものもあるのです。
電波法に違反して、送信電力を大きく改造したものではありません。
アンテナとボディ(ケース)にその秘密があります。
これは理論通りのことで、特別なことではありません。
ただ、利便性…小型化、軽量化と安価にということとは相反します。
同じ性能なら、小型で軽量…コンパクトなものが良い、誰しもがそのように考えることでしょう。
また、同じ能力なら原価の安い、すなわち安価に販売できる設計を目指すことにもなります。
従いまして、商品も手軽に購入できる価格で、利便さを全面に出したものが次々と登場します。
ところが、理論・基礎基本は、技術の発展があろうとも不変なのです。
アンテナは、長く太いもの…すなわち大きなものがその性能は優秀です(もちろん、目的周波数に共振させ、インピーダンスのマッチングをとることは必要です)。
また、アンテナの輻射効率は、ラジアル(グランド)効果によって大きく左右されます。
このラジアルの役目は、無線機のボディが引き受けることになるのですが、ボディの金属部が大きいほどその効率が向上します。
結論は、長いアンテナを有し、金属を多く使った重たい丈夫なボディを持った無線機が、よく飛ぶ無線機ということになります。
小型軽量の2機種と、長いアンテナを持ち230gのダイキャスト製堅牢ボディを持つ左機種が同じ飛距離性能のはずはありません。
無線機の選択時には、利便性だけでなく基本性能についても十分検討することが必要です。
また、使用現地において実証実験を行って飛距離を確かめることが大事でしょう。